ペイントで変わりはじめる、私の暮らし

Lesson 4: 自分にぴったりの色をえらぶために必要なのは…

Lesson 4: 自分にぴったりの色をえらぶために必要なのは…

4月からはじまった「色えらびのヒント」もいよいよ今回で最後となりました。
最終回の今日は、色をえらぶために必要なヒントと共に、
色を取り入れた生活の楽しさや魅力を実例と共にお話してみたいと思います。

色の組み合わせをたのしんでみる

私はよくインテリアのヒントを得るのにpinterestをみるんですが、
その中でも#color palleteというタグのついた写真が好きです。
自然や食べ物、街の風景など一枚の写真から色の要素をとりだしてパレットをつくったものです。
これを見ると、1枚のなにげない写真の中にたくさんの色が組み合わされていて、
それが全体として私たちに働きかけているんだということがわかります。

色は単体ではなく、組み合わせを楽しむものです。
同じ海でも昼と夜、夏と冬では色も表情も違うように、
色も時間やあわせるものによってまったく異なる印象を与えます。
インテリアでも、今自分のお部屋がどんなカラーパレットから成り立っているのか、
一度色で分解して考えてみると、足すべき色、ひくべき色がみえてくるのではないでしょうか。

Interior Design & Decoration DECO-TE 撮影:平松写真事務所

写真はROOMBLOOMの企画でスタイリングさせていただいた、ダイニングの1シーンです。
壁の色であるAfraican danceは、このレッスンの最初に紹介した私の赤いアトリエと同じ色です。
今回のダイニングでは、赤の補色であるビビッドな緑、金の縁取りの入った青のモロッカングラスなどをあわせることで、
オリエンタルでエネルギッシュな雰囲気を演出しました。
組み合わせる色をかえることで、印象がずいぶん違うのがおわかりいただけると思います。
壁の色を決めて色を塗ったからといって、お部屋がずっと同じ表情でいる訳ではありません。
あわせる色によって変わる表情の違いは、白い壁よりも多彩に楽しめるといえます。

身の回りのものから,色のヒントをさぐってみる

私のアトリエの一角はショールームの様な場所があり、そこには自分が好きなアンティークやヴィンテージ、
かわいらしいものなど、おすすめの商品をディスプレイしています。
壁の色を選ぶにあたって頭に浮かんだのは色の中でもっとも明るい色、黄色でした。
明るい印象の方が、お客様が気軽にはいりやすいんじゃないかと考えたからです。

ROOMBLOOMにはたくさんの黄色がありますが、イメージしたのは秋色の組み合わせでした。
秋の景色は水分が抜けたかさかさの幹の茶色、色づいた葉の赤、
そして葉が光を受けて輝く黄金色などからできています。
ROOMBLOOMの中ではmustardという黄色がイメージにぴったりで、アンティーク家具の濃い茶色や、
額縁や真鍮に使われるゴールドなど、想定していたカラーパレットがしっかりはまり、
塗ったその日から長い年月を経たようになじんでいました。

Interior Decoration & Design by DECO-TE 撮影:沼田俊之

同じからし色でも、こちらのお部屋でイメージしたのはロックテイストのファッションでした。
ベルベット、レザー、鋲、シルクのブラウスなど、色と素材をイメージしながらコーディネートさせていただきました。
クッションはお客様がセレクトされたものですが、このセレクトをみて二人がイメージをしっかりと共有できていたことが実感でき、
とてもうれしかったのを覚えています。

色の知識があるともっとたのしめる

Interior Decoration & Design by DECO-TE 撮影:沼田俊之

海外ドラマのようなブルーの寝室、ということでコーディネートしたお部屋は、
壁に色をつけたことで白がとても美しくみえるようになりました。
もともとあった建具にあわせて、カーテンも白で統一することで、
白もブルーもお互いをひきたてあうような存在になりました。
また白い壁だったときには床のフローリングや家具に目がいきがちだったのが、
壁に色がついたことで視線が上にむくようになりました。
「色の誘因性」といいますが、色をとりいれることで見てほしい場所に目を向けさせることができます。

知識がなければ色をつかえない、ということではなく、
私たちの身近にあふれている色をみることで、そこにヒントがたくさん隠れています。
でも少し色のことを知ってみると、そこにちゃんと理由があることがわかる。
理由がわかると、効果的に色をつかうことができます。

必要なのはあと少しの勇気

インテリアは失敗した時にやり直しがきかないと思ってしまい、冒険のしにくいものではあると思います。
でもファッションもそうですが、ちょっとあか抜けたいならほんの少し勇気も必要。
「トライアンドエラー」を繰り返すことで、少しずつ自分らしいお部屋に近づいていくはずです。
なかでもペイントは、ファッションに例えるならワンピースのような大きい部分です。
小さめのアイテムや小物の色を考えてコーディネートするのは難易度が高いですが、
ワンピースにいつもと違う色を取り入れることで手軽にイメージチェンジがかないます。
ぜひ勇気をだして、一色選んでみてください。
そこからきっと、色との出会いがはじまるはずです。

Lesson 1:お部屋にタイトルをつけてみましょう
Lesson 2:自分らしいお部屋の見つけ方とは?
Lesson 3:どんな効果を期待してるのかを考えましょう

松本 亜希子 インテリアコーディネーター/インテリアスタイリスト

日本女子大学住居学科卒。設計事務所勤務を経て、京都でInterior Design & Decoration DECO-TE(デコ・テ)を設立。「ドラマティック インテリア」をコンセプトに、色や柄、アンティークを組み合わせた個性的なお部屋をコーディネート。インテリアの魅力をもっと多くの人にわかりやすくお伝えするため、FacebookやInstagramでも発信中。
WEB:http://www.deco-te.com  FB: https://www.facebook.com/decotekyoto/
Instagram: https://www.instagram.com/deco_te_kyoto/

松本さんがコーディネートしたお部屋はこちらからもご覧いただけます。