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ペイントで変わりはじめる、私の暮らし

Lesson 3: どんな効果を期待してるのかを考えましょう

Lesson 3: どんな効果を期待してるのかを考えましょう

お部屋をペイントしてみよう!と決めて、いざ色えらび。
わくわくしてたはずなのに、144色のカラーサンプルを前にした途端、途方にくれてしまう…
ちょっとしたコツがわかれば、もっと肩の力をぬいて、楽しんで色えらびができるはずです。
前回までは色をえらぶ大前提として「自分らしいお部屋」のイメージをしっかりもつことをおすすめしてきました。
今日はそんなお部屋の色えらびの際に、ヒントになってくれる「塗る場所」についてお話します。

なんのためにペイントするのか、その目的をはっきりさせる

ペイントは色はもちろんのこと、塗る場所によってもイメージが変わってきます。
ここまで考えてきた「実現したいお部屋のイメージ」を出発点にして、なんのためにペイントするのか、
その目的をクリアにしておきましょう。それがわかれば、「色」と「塗る場所」は自然にしぼられていきます。

お部屋の色えらびをするときに役立つのは、そのお部屋が持っている個性や魅力を知ること。
まずは我が家のダイニングを例に、色えらびの過程をお話します。

Interior Decoration & Design by DECO-TE

我が家のダイニングは階段を上がったすぐのところにありますが、南向きのトップライトがあり、とても明るい場所です。
私はこの場所をグリーンでいっぱいにした温室のような場所にしたいと考えました。
あわせてこのお部屋の個性を考えてみました。トップライトはもちろん、屋根裏部屋のような三角の屋根と梁がとても気に入っていました。
白い壁のままでもさわやかですが、色を塗ることでもっと強調できるんじゃないか、と考え、それが今回のペイントの目的になりました。

Interior Decoration & Design by DECO-TE
実際に塗った写真がこちらです。

三角屋根を強調するために、天井と壁の色をかえることにしました。どちらに色をつけるかが悩みどころです。
えらんだ色は中性色とよばれる淡いグリーンと、灰がかった白gritty
主張しすぎず、どんな色とも仲良くしてくれるようなやさしい色をえらびました。

私はアクセントクロスのように壁1面だけに色を塗るときは「みてほしい場所」があったり、
奥行き感を出したい時につかっています。
でも今回のイメージは、ここを温室のような場所にすること。
あちこちからぶら下がった観葉植物をみるために視線があちこちに動いて、
いきいきとした生命力を感じさせる様な場所にしたいのです。
天井の方に色をつけることで、遠近感を強調するパースペクティブな魅せ方ではなく、
壁、天井、床まで視線が動く立体的な魅せ方になりました。
(※実際には日射しが強すぎて、なかなかグリーンが育たないというかなしい現実です…)

Interior Design & Decoration DECO-TE 撮影:平松写真事務所

トイレのような小さな空間も、そのお部屋の個性といえます。
クリエイティブなお仕事をされている神戸のお客様は、トイレを黒猫やフクロウなどこまごまとした置物で飾って、
アメリのお部屋のようなファンタジックな空間にしたい、というイメージを持たれていました。
そこでAfrican danceという名の情熱的な赤を壁、天井、棚まで全面ペイントしてみました。
濃い色を全面にペイントするのは「圧迫感があるのでは?」と心配になる方もいらっしゃると思いますが、
お部屋の個性を考えてみるとき「トイレの密室性」は他にはない特質と言えます。
ペイントをつかうことで、そんな個性を強調することができるのがペイントの魅力のひとつといってもいいでしょう。

主役の魅力を引き出す、ペイントのちから

Interior Decoration & Design by DECO-TE 撮影:沼田俊之

Lesson 2:自分らしいお部屋の見つけ方とは?で「好きなもの」が見つかった場合は、
その魅力を最大限に引き出すのがペイントの目的になります。
京都のお客様が出発点にしたのは壁にかかったアート、
すべてのインテリアはこのアートの世界観を引き立てるための脇役といっても過言ではありません。
だからあくまでも壁は背景として、アートの色をきれいにみせ、かつお部屋全体をまとめてくれるようなclassic jazzを選びました。
ギャラリーなどでは白い壁にアートが飾られますが、お部屋の場合はアートだけを主張させるのではなく、
全体が一体感をもつようにつくるとぐっと居心地がよくなります。
あくまでも背景として主張しない色をえらんだので、お部屋の壁全体に塗ってもアートやカーテン、家具がきちんと主張しています。
主役がなんなのか、その魅力はなにかがわかっていると、選ぶべき色が自ずと決まってきます。

撮影:平松写真事務所

こちらは奥の壁1面だけに、アクセントとしてペイントされています。
色違いのソファが対面に置かれているので、通常なら目があちこちに泳いでしまうところですが、
アクセントウォールがあることで、飾りつけされたスペースにしっかりと目がいきます。
アクセントウォールの目的を考えると「みてほしい壁を目立たせる」ということになるので、
選ぶグレーはしっかりと色のついたearthwardを選ばれました。ソファにも負けない存在感のある壁ができています。

見る場所によって変わる、色の見え方

四角く切り抜かれた窓から見えるのは、子ども部屋です。
こだわりの家具が置かれた大人のリビングから、子どもだけの世界がのぞきみられる素敵な演出です。
子どもたちの宝物、カラフルな絵本やおもちゃがhorizonという名のやさしい水色にいろどられ、遊び心を刺激してくれます。
子どもがお部屋に入った時には水色につつまれたファンタジックな場所として、
大人のリビングから見た時は一枚の絵画のようにみえる、とてもうまい色のつかい方だと感じます。

ペイントは色として独立しているものではなく、お部屋や暮らしとの相乗効果でそのちからを発揮してくれます。
サンプルの中から「すき」か「きらい」かだけで色を選ぶのではなく、その色をどこに塗って、どんな効果を期待しているのか。
なんのために壁にペイントしたいのかを考えていくと、色えらびがぐっと楽しく、意味のあるものになります。
そうやって考えられたお部屋は、たくさんのおどろきと発見をもたらしてくれると思います!

Lesson 1:お部屋にタイトルをつけてみましょう
Lesson 2:自分らしいお部屋の見つけ方とは?

松本 亜希子 インテリアコーディネーター/インテリアスタイリスト

日本女子大学住居学科卒。設計事務所勤務を経て、京都でInterior Design & Decoration DECO-TE(デコ・テ)を設立。「ドラマティック インテリア」をコンセプトに、色や柄、アンティークを組み合わせた個性的なお部屋をコーディネート。インテリアの魅力をもっと多くの人にわかりやすくお伝えするため、FacebookやInstagramでも発信中。
WEB:http://www.deco-te.com  FB: https://www.facebook.com/decotekyoto/
Instagram: https://www.instagram.com/deco_te_kyoto/

松本さんがコーディネートしたお部屋はこちらからもご覧いただけます。