ペイントで変わりはじめる、私の暮らし

コラム

03.街の色を考える

03.色から暮らしを考える 〜街の色を考える

今回は街の色について考えてみようと思います。ヨーロッパの街の色を見ると、街中が同じ色に見えます。たしかに街の風景をつくるのに、様々な色が建物に塗られているのは目障りです。できれば同じ色に統一されていてほしいと思います。

しかし、遠くからみると同じにみえても、実際に街の中に入ると微妙な色使いがあることもわかります。そこには微妙なバランスを取るための方法があるように思います。たしかに微妙な違う色を重ねて街の色がつくられているのも事実です。例えば、自然の素材から生まれたその土地の色が組み合わされている事が基本だと思います。さらに、色だけでなく、壁の一部に古い素材やかたちを残したり、過ぎた時間の記憶をどこかに埋め込んでいるのもよく見かけます。

こうして見てみると、色には大きく2つの効果があります。1つは今あるものを消していく効果、そしてもうひとつは色による自己表現です。

03.色から暮らしを考える 〜街の色を考える03.色から暮らしを考える 〜街の色を考える

塗装は上から塗る事で新しくなりきれいになります。一方時間という価値を消してしまうというデメリットもあります。きれいではあるものの、なにか味気ない感じもします。時間とともに徐々に古びていくのでしょうが、できることなら、古い物をどこかに残すことで。時間を積み重ねていくことも時間をつないでいくという、街と建築の関係をつくるときに必要なことに違いありません。古い物があることで新しい物の価値がより浮き出ること、そして古い物があることで、新しいものに、時間という価値を埋め込むことができるのです。

一方、自己表現のほうはどこで周りとのバランスをとるのかということが難しいところです。あまりにも自己表現が強すぎるとまわりとかけ離れてしまいます。その時にできれば全面に色を使うのでなく、部分的に色をつかっていくことで、まわりとの調和と自己表現のバランスがとれるのではないかとおもいます。

少し整理してみると

1 できるだけその土地の素材、まわりの色と同じものを使う
2 できるだけ、まわりの色に近い色をつかう
3 部分的に古い物をのこしたり、使ったり、その部分を見えるようにする
4 少し強い色を使う場合部分的に使うようにする

いかがでしょうか、街の色について、色はできるだけ主張しない事、まわりの環境になじむ事だという前提で、その上でどのように色を楽しむのか、難しい課題ですが是非考え続けてみたいと思います。
みなさんの考えをお寄せください。