ペイントで変わりはじめる、私の暮らし

建築家と考えるペイントリノベーション

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(左)建築家 藤田 雄介 氏

Camp Design inc. 同社代表取締役、明治大学兼任講師、ICSカレッジオブアーツ非常勤講師
1981年兵庫県生まれ。日本大学生産工学部卒業、東京都市大学大学院工学研究科修了。手塚建築研究所を経て、2010年Camp Design inc.設立。 http://www.camp-archi.com/

(右)建築家 須藤 剛 氏

Tsudou Design Studio/須藤剛建築設計事務所代表、 一級建築士
1980年埼玉県生まれ。法政大学工学部土木工学科卒業 北川原温建築都市研究所、ジャムズなど設計事務所勤務を経て2011年Tsudou Design Studio/須藤剛建築設計事務所設立。 http://tsudou.jp/

白のグラデーションを感じるペイント

建築で色を扱うとき、その大きさからいつも慎重に扱うようにしています。強い色を使うとなると、良くも悪くもその建物の表情を左右するものになります。
そのため、塗装では無難に白を選びがちですが、一口に白と言っても様々なグラデーションがあります。少しグレーの入った白、アイボリーに近い白、赤みがかった白など。ルームブルームのラインナップの中にも、白に近いけど微妙に異なる色が多数あります。それらの色を使って、白の可能性を探るデザインを行いました。ペイントだからこそ出来る白のグラデーションによって、空気感が少しずつ変化していく空間を楽しんでください。

design 1. Walls

この住宅は木造3階建てで、井桁の梁が構造としてだけでなく、建具のレールとしての機能し、同じサイズの建具を使って自由自在に仕切ることができます。部屋として仕切るのはもちろん、サンルームやクローゼットをつくったり、簡易な間仕切り壁として使うこともできます。使い方に合わせて、自分で建具を移動して設えることができる住宅です。
壁の色は、各階の特徴に合わせた白を選びました。1階は目の前が駐車場ということもあり、少し暗い印象だったので「雪明り」で薄緑を感じる白にしました。2階は家の中心となる場所で、華やいだ雰囲気になるように「rosy white」で薄紅を感じる白にしました。トップライトを設けていることもあり3階はかなり明るいため、薄いグレーの「still in dream」で明るさを中和させました。一見するとどの階も白い壁ですが、階ごとの微妙な白の変化が生活に無意識の変化を与えることを期待しています。

使用した色

Walls
  • still in dream (RB-25RP02)
  • rosy white (RB-05YR01)
  • 雪明り (RB-NN02)

design 2. Around windows

この住宅の敷地は、南北に細長いウナギの寝床のような形で、東西の隣地の建物が迫って建っているため、採光が取れる部分が限られています。そのため、南北は出来るだけ大きな窓を、それぞれ異なるサイズでつくっています。窓ごとにキャラクターを付けるため、窓枠の奥行き部分に壁とは異なる白をペイントしています。それによって、窓がうっすらと縁取られ存在感が増すと同時に光の色が微妙に変化します。
また、トップライトの立ち上がり壁には「silky white」を塗り、明るくも柔らかい光が差しこむようにしています。階段周りの開口部の縁には、他の部分に比べて白味の強い「silver frost」を塗り、階と階の間の境界線を描いています。

使用した色

Around windows
  • silky white (RB-YN01)
  • silver frost (RB-25P01)

design 3. Door & Toilet

玄関ドアの木枠とトイレの壁の奥一面には、他の場所と異なる少し濃いグレーの「haze」を用いています。白のグラデーションの空間の中で、ポイントでこのような色を入れることで全体に締まりを与えています。

使用した色

Toilet
  • haze (RB-05RP04)