ペイントで変わりはじめる、私の暮らし

カラートーク vol.08 DaB omotesando ヘアデザイナー MIYOKOさん

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vol.08

DaB omotesando
ヘアデザイナー

MIYOKOさん
Miyoko

「色」を専門的に扱うクリエイターの方々の、「色」に対する考え方やこだわり、実践しているアイデアをご紹介するインタビューコーナーCOLOR TALK。 もっと自由に楽しく「色」を扱うためのヒントが満載です。
Vol.8は、表参道の人気ヘアサロンでカラーからカットまで手がけるヘアデザイナーとしてご活躍中のMIYOKOさんにお話を伺いました。

高級なブティックが立ち並ぶ表参道を曲がり少し歩いたところに、DaB omotesandoは店舗を構えています。
コンクリート打ちっ放しの外観は、流石人気ヘアサロンという雰囲気ですが、どこかホッとする落ち着きも感じられます。
まずは、MIYOKOさんに自己紹介をして頂きました。

MIYOKOさん:
表参道にあるヘアサロンDaB omotesandoで、ヘアデザイナーをしています。
仕事柄、室内に居ることがほとんどなので、休日は外で過ごしたくなることが多いです。
特に、海と旅行が大好きで、海といえばスキューバダイビングとサーフィンは欠かせません。
昨年の秋は大好きなNYへ旅行に行きましたが、今年はどこに行こうかと計画中です。
世界を見渡せば知らないことだらけなので、仕事や趣味、旅行を通して、新鮮な気持ちでたくさんの人に出会いたいです。
お客様にフィットするヘアスタイルをデザインして、ヘアを通してHappyを与えられるように、毎日笑顔で働いています!

MIYOKOさんのお仕事では、人によって色や質感の違う髪の毛を扱われているので、難しそうだと感じます。
多くの日本人は髪の毛の色が黒っぽく、黒をベースにカラーリングするのも美容師さんならではで特徴的だと思うのですが、何か意識されていることはありますか?

MIYOKOさん:
ヘアカラーはペイントと違って染め上がりの色をキープすることが出来ません。
日々の生活の中で徐々に色が落ちていき、ベースの色が透けてきます。
その透けて見えてくるベース作りもわたしたちの重要なお仕事で、腕の見せ所です。
ベースが綺麗だと色が落ちても綺麗に見え、徐々に色落ちして変化していく日々さえも楽しんでもらえるように作っています。
「綺麗なベースづくり」と「楽しんでもらえる色の変化」が、わたしが作るヘアカラーの絶対条件!と思って、日々ヘアデザインに取り組んでいます。その中でもやっぱり、人生初のヘアカラーや、一大イベントであるウェディング用のヘアカラーを
任せてもらうことはとっても嬉しくて、特に記憶に残るお仕事になっています。

ヘアカラーは、どうしても仕上がったその時が一番綺麗で、時間とともに状態が悪くなっていってしまうイメージでしたが、経年変化のような色の楽しみ方やがあるということに驚きました。
その他に、お客様に喜んでもらうためのヘアデザイナーとしてのポリシーを教えてください。

MIYOKOさん:
まずは、お客様が今までにやったことのないヘアカラーを提案することを心がけています。
ヘアカラーはお客様自身の意識やモチベーションにも、大きく影響するものだと思うので、
その時の気分にフィットすることもかなり重要だと考えています。
そんな様々な条件の中でも、人生のベストカラーと思って頂けるようなカラーを作りたい!といつも思っています。
同じ色を繰り返していると飽きてきてしまうので、毎回少しでも良いので変化があり、
新鮮さを感じて頂ける提案をしたいと考えています。
そして、今までのカラーを振り返った時に、「やっぱりこれが最高だった!またやりたい!」と思ってもらえるような、
人生のベストカラーをお客様それぞれにデザインできたら最高です。
変わった感じがする、でもやりすぎていない、その時の気分にフィットするカラーを作り続けたいです。

単に髪の毛の色としてではなく、お客様の気持ちや意識を反映するものとしてヘアカラーを考えると
街の人たちのヘアスタイルやカラーを見るのも楽しくなりそうです。
MIYOKOさんが、実際に手がけられたお仕事を通して、色とお客様の関係について教えてもらいました。

MIYOKOさん:
「とにかく明るくしたい!」という彼女からの要望に対して、ペールオレンジをチョイスしたヘアスタイルです。
明るい色と言っても、いろいろな選択肢がありますが、この時は彼女の雰囲気なども考慮して、色を選びました。
ペールオレンジは、くすみのないやわらかいオレンジなので、彼女自身のフワッとしたやわらかさをより一層引き立てて、
明るく見せてくれる感じがします。さらに退色した時のカラーも考慮し、時間の経過と共に綺麗なベージュに変化していくように意識しました。
MIYOKOさん:
彼女のファーストインプレッションから、寒色系のライムグリーンをチョイスし、根元はグレーにして、
毛先にかけてライムグリーンを入れていくことで立体感をだしたヘアスタイルです。
初めてのご来店で、「全ておまかせでお願いしたい」とオーダーいただいたので、そのお気持ちに応えるべく、
最終的には、今まで彼女がやったことのないカラーにチャレンジしました。
退色しはじめると、まず毛先がイエローになり、その後ベージュからホワイトのグラデーションへと変化する様子も楽しめるカラーに仕上がりました。

どちらのヘアカラーも、パッと見は個性的でインパクトがありますが、お客様の雰囲気や顔のイメージなど、
内面をカラーとカットで引き出しており、退色していく時間の経過まで計算されているのが、本当にすごいと思いました。
MIYOKOさんご自身のヘアカラーや、普段の生活の中で心がけている色についての工夫があれば教えてください。

MIYOKOさん:
DaB omotesando自体はとてもシンプルで、様々な個性的なものを受け入れてくれるような空間です。
お店にいる時のヘアデザイナーとしての自分は、あくまで空間の一部だと考えています。
シンプルな空間を彩ることができるように、どこか色のポイントがあるファッションをするようにしています。
大体色物のスニーカーでアクセントにしています。ヘアカラーは金髪歴12年で、私のトレードマークになっています。

MIYOKOさんのお話にもあった、「ヘアカラーはその人の意識やモチベーションにも影響する」というお話にとても共感しました。インテリアでも壁面を塗り替えて気分を一新したいというご依頼がよくあり、ROOMBLOOMでは、それらのご要望にお応えできるように189色の豊富な色数のペンキを準備しています。
MIYOKOさんの生活の中でペイントして色を塗り替えてみたい場所はありますか?

MIYOKOさん:
最近旦那さんが椅子の皮を張り替えてくれたので、それに合わせて色も変えられたらいいなと考えていました。
RB-DM34 waltz の色を加えれば、空間に対してのアクセントになってくれそうだと思います。

※ROOMBLOOMの塗料は内装用となります。

人の髪の毛という常に変わり続ける対象に、ヘアカラーやカットテクニックで応えるのは、並大抵のことではないなと、
今回話を伺って改めて感じました。特に印象的だったのは、時間の経過で色が退色していく時の見え方も考慮されているという点です。色について考える時、ついついその一瞬やそのコーディネートだけについて考えがちになりますが、時間の流れも考慮しつつ考えることは、色を使いこなす重要なポイントになります。
インテリアで壁色を変更する場合にも、その季節や期間のみを考えるだけではなく、1年を通じた空間の変化(ディスプレイ小物やカーテンやクッションの色など)も考慮して色を選択できれば、色使いの上級者に一歩近づくこと間違いなしです。

DaB omotesando
ヘアデザイナー

MIYOKOさん
MIYOKO

1985年9月9日生 神奈川県出身出身。2006年鎌倉早見美容芸術専門学校卒業後、DaBに入社。
ショートヘアを得意とし、ヘアデザインを際立たせるハイトーンやブリーチカラーなどのカラーデザインにも定評がある。
一般誌、業界誌の撮影、また全国各地でのセミナーにて活躍中。