ペイントで変わりはじめる、私の暮らし

コラム

13.近代建築の色 人工か自然か

13.色から暮らしを考える ~近代建築の色 人工か自然か

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20世紀の初頭、世界中に伝播した近代建築の様式の中で、色をどう扱っていくかは大きな課題だったのだろうと思います。過去の様式からいかに脱するかという命題を解くために、装飾を消し、純粋な形を追い求めます。そして色についても同様に純粋な色を追い求めた結果、たどり着いた答えは3原色といわれる赤、青、黄の3色です。すべての色は赤、青、黄この3つの色から出来ています。絵画でも建築でもこうした色を混ぜずに使っていくということを試みた時代が長く続くのです。白い建物の一部にこの3つの色を使用している建築を見たことがある人は多いでしょう。近代建築の代表的建築家ル・コルビュジェの作品には多く見られます。確かにそうした色の使い方は、その時代に挑発的でセンセーショナルだったのに違いありません。

13.色から暮らしを考える ~近代建築の色 人工か自然か

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一方で自然界の色を見ると、ほとんどのものは色が複雑に混ざっています。純粋な色や鮮やかな色というのは植物の「花」や「実」など、生存のためにあえて目立つためにできていますが、全体からするとそれはほんの一部です。建築というのは長い間、自然を模倣して作られてきました。葉の形を装飾にして柱の頭につけたり、壁の模様なども草や葉を模してきました。空間的にも教会などで感じるものは、森の中にいるような感覚を再現しているのだと思います。ステンドグラスやドームの上からさす光はまるで森の中に差し込む一筋の光のようにも感じます。もしこれからも自然を模倣していくのであれば、この複雑に混じった色の組み合わせについてもっと考察していく必要があるのかもしれません。

塗料というのは不思議な素材です。今や化学の力によってどのような色も再現していけますが、何色をも表現できるところに色使いの難しさもあるのかもしれません。素材そのもの個性がなく何にでも変化できるものだからこそ迷いが生まれるのでしょう。しかしこの迷いと扱いの難しさが、新たな感覚を作り出す可能性をも持っているのです。
今回書いたように、自然の中の調和や複雑な色の組み合わせに注目していくことに、色を使う視点のひとつの切り口があるようにも思います。自然界に模倣するということ、もう少し考えてみようと思います。

13.色から暮らしを考える ~近代建築の色 人工か自然か

木漏れ日ポリカ:モクチン企画制作:
植物の葉をスキャニングして、それを再配色してポリカにプリントしたもの、屋根材として使用

みなさんはどのように考えますか。

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