ペイントで変わりはじめる、私の暮らし

コラム

06.家具のリメイク〜時間を埋め込む

06.色から暮らしを考える 家具のリメイク〜時間を埋め込む

今回は家具の色について書いてみようと思います。ある家具の修復の事例をご紹介しながら考えてみたいと思います。ご紹介するのはあるアーティストの家、カナダ東海岸のハリファックスという小さな街から車で北に3時間さらに小さな街に住むアーティストの夫妻の家の中にあった家具です。

古い木造の家を改修して住んでいます。すべてが見事なのですが、特にダイニングへと抜ける前室にあったご自身で塗った家具には感動しました。
黄、緑、オレンジを基調に部位ごとに塗り分けられていて、その仕上げも、布でふきとったり、小さな模様を筆でほどこしてあったりします。ただ塗りつぶしてしまうのでなく、下地を所々見せたり、丁寧に手の痕跡をのこしていくことで深みをつくっています。

06.色から暮らしを考える 家具のリメイク〜時間を埋め込む

もとの色は茶色に塗られていたといいます。その塗装を丁寧にはがし、下地を出していく作業は根気がいたことでしょう。しかしこうした前作業を丁寧にすることが、その後の塗装の質を決めていくことにもなりますし、なによりも手間隙をかけることで愛着がわいてくるものです。ものに向き合っている時間が、そのまま家具に埋め込まれているようにさえ感じます。

色とは不思議な物です。ただ色を付けるだけなら、簡単に塗ることも出来ます。時間をかけようと思えば、どんなに長い時間もかけることができます。

でも考えてみると、ここで紹介した家具のように、手間をかけた時間が色をより魅力的にするように思います。そして一度塗っても、気持ちが変われば、さらにその上から色を重ねていくこともできますし、時間がたって色あせたり、汚れてきたら直すこともできるのです。使い手側につねに手をくわえたくなるような余地を残してくれることが塗装の魅力と言えるかも知れません。

ついつい塗装を色そのものとして、また完成した状態だけを考えがちですが、ものに向き合う気持ちや、準備のための時間、どんな色を塗りたいかと考えることなど、そうしたすべての時間を含めて塗装の魅力というものを考え直してみたいと思います。
今回ご紹介したように、大事な家具をリメイクしてみること、一度試してみてはいかがでしょうか。きっと色々な発見があるでしょう。

みなさんのご意見をお待ちしています。

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