中原児童センター 遊戯室の鏡の扉
「想像以上の出来だなぁ!」
職員のみなさんが口を揃えて言うのは、生まれ変わった遊戯室の鏡扉。「高校受験」という長い戦いを終えた仲良し中学生グループが、ペイントで作り上げた傑作です。
中原児童センターは、品川区の中で、5館ある中高生の健全育成に力を入れているティーンズプラザ館のひとつ。そのなかでもこのセンターは、中高生の地域貢献スタッフを育成することを目標に「中原ふぁみりープロジェクト」という活動を行っています。
職員が入れ替わっても、地域に根付いたスタッフとして中高生の彼らに主体的に活動を引き継いでほしい。そのために、この地域の財産として子どもたちを育てようという想いがこの活動には込められています。
今回のHappy Wall Projectは、そんな職員さんたちが「中学3年間のボランティアスタッフの集大成として、彼らに活躍の場を提供したい」と思ったことがきっかけでスタートしました。
そしてペイントに選んだ場所は、イベントなどで地域の多くの人の目に入る遊戯室の鏡扉。汚れも目立ってきており、なんとかしたいと考えていた場所です。
ただ塗りつぶすだけでは面白くないと、職員のみなさんがデザインを考えました。カラフルな五線譜の上にまるで生きているかのように弾け飛び出したいくつもの音符。見ているだけで元気になれるデザインです。実はスタジオが完備された音楽館でもある中原児童センター。バンドをやっている中学生も多いので音楽をイメージしこのデザインにしました。
みんな同じ中学校だという仲良し組は、ペイント初体験。最初は恐る恐るでしたが、すぐに慣れ、色が変わる楽しさを感じながら塗り進めていきます。
苦戦したのは、五線譜と音符。しっかり者で几帳面な女子チームが色を決め、率先して五線譜を仕上げていきます。マスキングテープで平行に真っ直ぐラインを描くのは至難の技。「ずっと残るかもしれないから、きれいに仕上げようよ!」五線譜がデザインの要ということで、妥協することなくきれいに描ききりました。ふざけながらペイントする男子に「ちょっと~!きれいに塗ってよね!」と女子が注意する場面も。
でもそこはさすが中学生。集中力を持続させ、はみだした部分も修正しながら見事きれいに完成させました。
水色だった扉が、ポップな雰囲気の扉となり、空間全体が明るく感じられるようになりました。「中学3年間のボランティアスタッフの思い出としてふさわしいものになった」と職員のみなさんもうれしそう。
彼らにとっても、素晴らしいチームワークを発揮し取り組んだことで達成感を味わうことができたという思い出になったのではないでしょうか。
この扉は、いつまでも遊戯室の象徴として多くの人に元気を与えてくれることでしょう。
実施日 | 2015年3月8日 |
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実施施設 | 東京都品川区 中原児童センター |
関係者(団体)名 | 品川区 |
参加人数 | 8名(大人2名/子供6名) |
色・壁面積 | 背面 biscuit, 模様 skyscraper, haze, grand vin, happy morning, mustard, green market |