ペイントで変わりはじめる、私の暮らし

コラム

01.背景を考える

暮らしのコラムを始めます。まずは色と暮らしについて書いてみようと思います。
そのうち色から少し離れてくらしについて色々な視点で書いてみようと考えています。
みなさんからもご意見いただければ幸いです。

01.色から暮らしを考える  〜背景を考える

写真提供:IDÉE 撮影:Masayuki Hayashi

みなさんは自分の暮らしの色をどのように考えますか。壁や天井、床や建具どんな色に塗りたいですか。ただ好きな色という訳にはいかないでしょう。なぜなら壁や天井は暮らしの背景であり、主役ではありません。あくまでも主役を引き立てるために背景はあるのです。その主役は、家具であり、小物であり、そしてそこで暮らす人々です。ではそう考えたときの背景はどんな色にしたらいいのでしょうか。

私たちはものを見る時についついその対象のものに目がいきます。すてきな器をみつけたとします。それを家にもちかえって置いてみる。しかしその器の善し悪しを感じるのはその器以上に、それがどこに置かれているのか、どんな背景の中にあるのかが決め手となるものです。もし散らかったテーブルの上に置かれていたらどんなに美しい器もその価値を感じる事はできまないものです。一方きれいに整った床の間にその美しい器を置いてみることを想像してみてください。漆の床の間に高価な器が置かれ柔らかな光が当たっているようなイメージを考えてみてください。きっとそのものの価値はより引き上げられ美しく見えるに違いありません。

01.色から暮らしを考える  〜背景を考える

写真提供:IDÉE 撮影:Masahiro Sanbe

暮らしの色を考える時、まずは背景を考える必要があります。背景の色として白はひとつの選択肢です。白は色というより色を消してしまう、まずは下地をつくるというような意味かも知れません。まずはすべての部分を白くしてしまうのです。壁や天井建具すべてを白く塗り。時には床も白くしてしまうのもいいかもしれません。そこから暮らしの色を、壁の一部であれ、建具であれ少しづつ加えてみるのです。白い背景に好きなものや好きな色をおいてみるのです。それは白いキャンパスに色を加えていくような感じです。そしてどこか自分にとってちょうどいい感じのところでとめるのです。壁に色を塗ってもいいですし、家具やファブリックで色を付けくわえていくのもいいでしょう。

背景との色は白以外にもいろいろあります。日本ではからし色や土壁の薄茶、鼠色などいろいろな色がありました、多くはその土地の土の色であったり、土に色をまぜて、つくりました。紅柄色などもそうした色の一つです。しかしどれも主役ではなく、背景なのです。
背景を意識する事、そこにくらしの色を考えるヒントがあるのです。
暮らしの色についてご意見をお寄せください
次回は色と素材について考えてみたいと思います。