ROOMBLOOM

ペイントで変わりはじめる、私の暮らし

カラートーク vol.04 イラストユニット はらぺこめがねさん

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vol.04

イラストユニット

はらぺこめがねさん
Harapekomegane

「色」を専門的に扱うクリエイターの方々の、「色」に対する考え方やこだわり、実践しているアイデアをご紹介するインタビューコーナーCOLOR TALK。 もっと自由に楽しく「色」を扱うためのヒントが満載です。
Vol.4は、ユニット名にもなっているめがねがトレードマークの、ご夫婦でイラストユニットをされているはらぺこめがねさんにお話を伺いました。

一度聞いたら忘れられない印象的なユニット名のはらぺこめがねさん。
一目見るだけで笑顔になってしまう「顔アート」や、おなかが減ってしまうほどのシズル感のある食べ物のイラストは、
どのようにうみだされているのでしょうか。まずは、簡単に自己紹介をお願いします。

はらぺこめがねさん:
原田しんやと関かおりによる夫婦イラストユニット「はらぺこめがね」です。
はらぺこめがねの名の通り、食べることが大好きで、2人ともめがねがトレードマークになっています。
東京の目黒区、都立大学駅が最寄り駅のアトリエで、日々楽しく美味しく創作しています!
「食べ物と人」をテーマに絵本制作、挿絵、装丁画、パッケージイラスト、グッズ制作、ワークショップの講師など、
絵を描くことをなりわいにしています。
おいしいものは美しく、人と人とをつなぎ合わせる力があると信じています。

はらぺこめがねさんのイラストはまさに「おいしいものは美しく、人と人とをつなぎ合わせる力がある」を
体現したモノだと感じます。あのシズル感や楽しさを生み出す為に、描く時の色の使い方やこだわりはありますか?

はらぺこめがねさん:
食べものは基本的にアクリルガッシュという画材を使って描いています。
色を塗るというよりも、色を描いていくという感覚が強いですね。
描く食べものをよく観察して、その食べものが持つ繊細な色味を見極め、中身の色、味などを想像しながら何度も描き重ねて、食べものがもつ美しくておいしそうな色合いを出していきます。
顔アートは、お客さまの雰囲気を描く似顔絵です。似ているように描くことも大事ですが、その人のイメージを、色や形にして描いています。そのまま人の表面を似せて描くことより、人を色に例えて雰囲気を描くことが大切なので、色に意味をもたせるのではなく、感じた色を感じたままに、遊ぶようなイメージで自分自身が楽しめるように心がけています。

顔アートにも食べものイラストにも共通して感じたのが、圧倒的な観察力と想像力です。
顔アートは、その場の一瞬を捉える力が必要だと思うのですが、食べ物を描く場合、モチーフへのこだわりはありますか?

はらぺこめがねさん:
食べものを描くときは、まず調達から始まります。
近所のスーパーにも行きますし、八百屋、魚屋、肉屋、時には電車に乗って高級百貨店に行ったりもします。
そしてモチーフを吟味するのですが、例えばりんごだと、形はもちろんですが色も重要です。
りんごだけどりんごらしい色をしてるりんごを探す、これが結構大変なのです。
ひとくちにりんごといってもいろんな品種があったり、同じ品種でも形や色が全て違います。
赤が黄色っぽすぎたり、逆に赤すぎたり、筋模様がきつすぎたり…。
その中から自分が頭の中で思い描いているりんごに近いものを探します。そういう目で探すと意外と理想のものが見つからなかったりします。描く時はもちろんですが、描く対象物を選ぶときも色をとても意識しています。

描くためのモチーフ選びから、ここまでのこだわりがあるとは知りませんでした。
描く際に意識されている「色」とははらぺこめがねさんにとってどのようなものなのでしょうか?

はらぺこめがねさん:
日々の生活の中で、おいしいものを探求したり、味わったりするのと同じように「色」も生活の一部となる存在だと思います。
好きな色や楽しい色に囲まれていれば、日々の生活自体が活き活きとしたものになっていきそうです!

はらぺこめがねさんの絵本を見ながら、そのこだわりポイントについて教えていただきました。

はらぺこめがねさん:
絵本「すきやき」
タイトル通り、すき焼きの絵本。僕たちが絵作りの時に一番こだわっているのは、どうすれば美味しく表現できるかということです。この絵本で特にこだわったのは背景の色。表紙も本文も鉄鍋を思わせる黒に統一することによって、すき焼きの主役でもあるお肉を筆頭に、具材を美味しそうに見せながら、鉄鍋の上で調理されていく様を宇宙を思わせるような世界観で表現しました。絵本をご覧いただいたあとに「お腹空いた」「今晩はすきやきにしよう」という言葉をいただく度に作って良かったなと心から思う1冊です。まさにすき焼きは宇宙です!
はらぺこめがねさん:
絵本「へんなおでん」
こちらは仕掛け付きでページが3段に分かれて絵柄を自由に組み替えて遊べる絵本です。
自分の好きなおでんを作っていただくのですが、内容がへんてこなのです!
普通のおでんから始まって、ページをめくっていくとあんぱんが出てきたりお寿司が出てきたり…
さらには鉛筆やボールなど食べ物ではないものが現れたりします。三角、丸、四角と3分割とおでんを組み合わせてできたこの絵本でこだわった色の表現は、食べものではないものも丁度いい具合に食べものに馴染みおでんに見えてほしかったのでモチーフ側の右ページをおでんのだしを思わせるようなベージュ色にしました。それと対になる左ページはそれぞれのカテゴリーのイメージに合った色味にして、組み替えたときにも認識しやすいように工夫しています。

美味しくみせたり、世界観を共通に見せるためには、周辺色や背景色も大切だなと改めて気付かされました。
絵本の色のこだわりのように、お仕事空間では何か工夫をされていたりするのでしょうか?

はらぺこめがねさん:
アトリエは絵を描く場所なので、制作の邪魔にならないように、壁は白を基調として、家具も落ち着いた色味の木のものが多いです。とにかくリラックスして作業したいので、空間自体もあまり奇抜な色味を大きな面積では置かないように意識しています。いままで特に意識はしていませんでしたが、気がつけば差し色がブルー系になっていました(笑)
アトリエの壁は友人に手伝ってもらいながら自分たちで塗りました。一面だけ色か素材を変えたいと悩んだまま、結局ほったらかしにしてずっと塗ってない壁があります。

ROOMBLOOMでは189色の豊富なカラーがあります。
今お話してくださった、アトリエのまだ塗られていない壁面に塗ってみたい色はありますか?

はらぺこめがねさん:
実際の色見本を見せて頂き、RB-10Y07 山椒が気に入りました。現状の空間の差し色になってるブルー系の色味と、古い木の家具の色味に良い感じでマッチするかなと思いました。あとは落ち着いた色味で絵を描く時に気にならないのも選んだ理由の一つです。さらには色の名前が食べ物だったのもあります(笑)

見ただけでヨダレがでてきそうな美味しそうなイラストは、食材調達からはじまり、そのものらしさの探求や観察を重ね、背景の色などの周辺環境にも意識をむけた末に、実現していることがわかりました。その苦労を感じさせない楽しいお二人は、きっと心の底から「食べる」ことが大好きなんだと思います。「好きこそものの上手なれ」という諺がありますが、空間の色に関しても、まずは、自分の「好き」という感覚を大切にして考えることで、心がワクワクするような素敵な暮らしにつながるのだと思います。

イラストユニット

はらぺこめがねさん
Harapekomegane

はらぺこめがねは、原田しんやと関かおりによる夫婦イラストユニット。
食べることが大好きで「食べ物と人」をテーマに、絵本制作や挿絵、ワークショップの講師などの活動をしている。
絵本に『フルーツポンチ』『すきやき』 『ハンバーガー』(以上、ニジノ絵本屋)、『くんくんぱくぱく』(WAVE出版)、
『へんなおでん』(グラフィック社)、『レンガおとこ』(えほんやるすばんばんするかいしゃ)、
『やきそばばんばん』(あかね書房)、『まどあけずかん たべもの』(小学館)、『くだものさがしもの』(PHP研究所)などがある。
harapekomegane.com