ペイントで変わりはじめる、私の暮らし

HAPPY WALL PROJECT

【特別企画】ふるさとを元気に!みんなでつくる「みんなの家」

「日頃からお世話になっている地元のみなさんになにか恩返しがしたい。」
そう話すのは、熊本県益城町にある飯野小仮設団地の自治会長草野さん。

そんな草野さんの強い想いにさまざまな人が動かされ、今回のHappy Wall Projectは実現しました。

2016年4月14日に発生した熊本地震。熊本市の東側に隣接する益城町は、市中心部までは約15kmほどの距離にあります。人口は約33,000人。熊本地震の震源が町の近くのため、被害は町全体に及び5,000棟を超える建物が崩壊しました。

熊本地震を受け、飯野地区にある飯野小学校の敷地内に建設された仮設団地で、いまも多くの人が生活をしています。

本来であれば子どもたちが遊ぶ校庭に仮設住宅が建っているということ、また仮設団地の入居者に対して小学校の子どもたちがイベントを企画して楽しませてくれたりと、日頃から「お世話になっているんですよ。」と話す草野さん。

日頃の感謝をみなさんに伝えたい。飯野小学校のみんなを楽しませ、ふるさとの飯野地区、益城町を元気にしたい。

その草野さんの想いに、ROOMBLOOM含め、三菱地所レジデンスなど複数の企業が協力し、仮設団地の入居者と飯野小学校の親子との交流会を開きました。

各企業が工夫を凝らした催し物を企画し、ROOMBLOOMも「みんなの場所をみんなでつくる」Happy Wall Projectで二カ所同時にペイントを行いました。

一つは、仮設団地の中心にある「みんなの家」の壁一面のアートペイントです。
子どもたちや仮設団地の入居者の方々がふれあいやすい場所にしたいという思いから、その場所を選びました。

当日は、小学生や中学生、乳幼児の親子連れや高齢者などさまざまな年代の方、35組70名もの人が参加し、校区のシンボルの飯田山や学校の校舎を描き、大きな木を2本描きました。

それらの木には、‘思い出の花を咲かせよう’と題し、みんなで撮った写真を貼り付けました。

また、地面に咲く花の花びらを子どもたちの手形でつくりました。

壁にペイントで絵を描くなんてやったことない!と言いながら、子どもたちは最初はおそるおそる・・・だけど一回やってしまえば楽しくて仕方がない。

笑いながら、手にペイントをつけ、壁にスタンプをしていきます。
大人たちも小学生と一緒になって、会話をしながら一緒にペイント。

自治会長の草野さんも童心にかえり、思わず笑顔がこぼれます。

途中、近くのおばあちゃんがあたたかいお茶を差し入れにもってきてくれたりと、終始明るい声がたえませんでした。みんなで描いた木に「みんなの木」と書いて、完成はもう間近。

また、今回このみんなの家には特別なペイントも塗りました。熊本産のいぐさをつかったいぐさ色の淡いみどり色のペイント。ほんのりするいぐさの香りに子どもたちも大人も興味津々。みんなの家に使われているあたたかみのある木ととても相性がよく、馴染んでいました。

もう一つのペイントは、大きな合板8枚にペイントで絵をかくプロジェクト。
みんなの家のアートペイントと同時に飯野小の体育館で進行していました。合板8枚の訳は、みんなが住む益城町の春・夏・秋・冬を描くから。

はやく塗りたい!とうずうずする子どもたちを4つのグループに分け、完成図を見ながら、みんなで塗りすすめます。

刷毛や筆や、自分たちの手をつかって描いた自分たちの町。塗る場所の取り合い合戦も途中みられましたが、みんなで描ききりました。もちろん地元のシンボル飯田山もちゃんと入っています。

最後は、全員集合して記念撮影。
「仮設に入って5カ月になる。こういうイベントがあると楽しくていいですね」とイベントに参加した入居者さん。自治会長の草野さんも「仮設の方々と、飯野小学校の保護者や子どもたちの交流が深まるきっかけになってよかった。小学生と一緒になって、会話をしながらできたこともとても楽しかったです」と笑顔で話していました。

地震発生直後とは違い、最近ではメディアでもあまり取り上げられなくなった熊本地震。
ですが、いまもなお地震の跡が色濃く残っているところがたくさんあります。今回のこのイベントが、飯野小学校に通う子どもたちや仮設に住む入居者さんの交流を深めるきっかけになり、ずっと心に残る思い出になれたことを嬉しく思います。